ヨーグルトを食べてもビフィズス菌が増えない理由と確実に増やす6つの方法
ヨーグルトには、腸内環境を整えてくれるビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌が含まれています。このうち、腸内環境を整えるために特に重要なのがビフィズス菌です。
しかし、ヨーグルトを食べるだけではビフィズス菌は増えません。
「ヨーグルトを食べているのに便秘が改善しない!」というのはこのためです。そこで、この記事では、「腸内環境を整えるためにビフィズス菌を確実に増やす方法」を6つ紹介します。
この記事の目次
ビフィズス菌と乳酸菌。その違いとは?
善玉菌は、大きく分けて2種類存在します。ビフィズス菌と乳酸菌です。テレビCMなどで、その名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。一言に善玉菌と言っても、その特徴はそれぞれ違います。
乳酸菌とは
糖を分解して、乳酸を作ってくれる全ての菌のことを乳酸菌と言います。
腸内では、主にビフィズス菌のサポート役を担っています。
乳酸菌は、腸内だけでなく人間の体内のいたるところに存在します。また、牛乳やチーズなどの乳製品や、発酵食品にも含まれます。自然界には様々な乳酸菌が存在しています。
ビフィズス菌とは
ビフィズス菌は、動物の大腸にのみ存在します。
実は、ビフィズス菌も乳酸を作る菌です。しかし、乳酸菌との大きな違いは、強い殺菌力を持った酢酸も作ることができるところです。この酢酸が非常に重要で、悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を整えてくれるのです。
また、腸内に存在する善玉菌のほとんどが実はビフィズス菌です。乳酸菌が0.1%なのに対し、ビフィズス菌はなんと99.9%。数にして1兆〜10兆個です。腸内の善玉菌の最大勢力はビフィズス菌なのです。
このことからも、お腹の調子を整えるにはビフィズス菌が重要であることがわかります。
ヨーグルトではビフィズス菌は増やせない?!
ヨーグルトでビフィズス菌が増やせない理由は、ビフィズス菌の特性にあります。
ビフィズス菌は、酸素があるところでは生きられないのです。乳酸菌が様々な場所に存在するのに対し、ビフィズス菌が動物の大腸にしか存在しないのはそのためです。
この理由から、一般のヨーグルトにはビフィズス菌は存在しません。ヨーグルトでの増殖がとても難しいからです。
最近では、ビフィズス菌入りのヨーグルトも発売されていますが、フタを開けて酸素に触れることで死滅してしまい、腸にはほとんど届かない場合が多いです。
また、胃酸にも弱いため、なんとか腸に届いたとしても、善玉菌を増やし悪玉菌を減らすほどの数は残っていません。
食べ物でビフィズス菌を増やす3つの方法
生命力の弱いビフィズス菌を増やすにはどうしたら良いか。ポイントは、新しいビフィズス菌を体内に取り入れるのではなく、既に体内に存在するビフィズス菌を増やすことです。
方法①オリゴ糖を含む食べ物を食べる
オリゴ糖は、ビフィズス菌のエサとなり、ビフィズス菌を増やすことができます。
オリゴ糖は、同じ糖類であるブドウ糖や果糖とは違って、消化酵素で分解されません。胃や小腸で分解されず、ビフィズス菌が生息する大腸までしっかり届くことができます。
オリゴ糖はごぼう、玉ねぎ、アスパラガスなどの野菜や、大豆、バナナ、ハチミツなどに含まれています。これらの食材を食事に取り入れると効果的です。毎日続けることが大切です。
方法②水溶性食物繊維を含む食べ物を食べる
ビフィズス菌は、水溶性食物繊維も大好物です。
食物繊維には、水溶性と不溶性があります。水に溶けるか溶けないかの違いだけではなく、その特徴や体にもたらす効果は大きく違います。
「食物繊維なら何でも良いんじゃないの?」と思った方がいるかもしれませんが、ビフィズス菌を増やすのは、善玉菌のエサになる水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維を含む食べ物は主に、昆布、わかめなどの海藻類や、キウイ、バナナ、りんごなどの果物です。食物繊維=野菜というイメージがあるかもしれませんが、野菜に多く含まれているのは不溶性食物繊維です。
しかし、ごぼう、オクラ、モロヘイヤなど一部の野菜には、水溶性食物繊維も多く含まれます。水分を吸収して、粘りがある食べ物が多いことが特徴です。この粘りをなるべく落とさずに食べることがポイントです。
方法③ヨーグルトを食べる
「ヨーグルトでビフィズス菌は増やせないんじゃないの?」みなさんそう思われたはず。
先ほどお話しした通り、ヨーグルトに含まれるビフィズス菌は腸にほとんど届きません。しかし、既に腸内に存在するビフィズス菌のエサとして考えれば、ヨーグルトはとても効果的です。
ヨーグルトには乳酸菌が含まれています。この乳酸菌が作り出す乳酸に、悪玉菌を減らす効果があるのです。また、乳酸菌の代謝物や、乳酸菌の死骸が、ビフィズス菌を含む善玉菌を増やしてくれるのです。
ビフィズス菌を外から取り入れることはほとんどできないけれど、ヨーグルトに含まれる乳酸菌の力で、ビフィズス菌を増やすことならできるんですね。
生活習慣を見直してビフィズス菌を増やす3つの方法
生活習慣を改善することでも、ビフィズス菌を含む善玉菌を増やすことができます。
方法④適度な運動を毎日続ける
運動不足も腸内環境の乱れの原因になります。
運動不足で筋力が低下すると、腸のぜん動運動(便を押し出す運動)がうまくできなくなり、便が長期間腸内に留まる、いわゆる便秘の状態になります。すると、有害物質が発生し悪玉菌が増えてしまうのです。
逆に言えば、運動量が足りていれば、悪玉菌は減りビフィズス菌などの善玉菌を増やすことができます。激しい運動をする必要はありません。
ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの運動で十分効果的です。毎日続けることが大切です。
方法⑤ストレスを溜めない
腸内環境の乱れは、ストレスが原因の場合もあります。
ストレスが溜まると自律神経が乱れ、正常なぜん動運動が難しくなり、便秘や下痢などの症状が出て、悪玉菌が増えます。現代社会にストレスはつきもの。ストレスと上手に付き合うことが大切です。
例えば、深呼吸をするだけでも気持ちがスッと楽になります。軽く体を伸ばすのも良いです。これなら仕事中でもできますよね。休日は趣味に没頭するのも良いと思います。
ご自身のストレス発散法で、ストレスを溜めないようにしてくださいね。
方法⑥睡眠不足は腸の大敵!規則正しい生活を心がける
睡眠不足も腸内環境が乱れる原因になります。
私たちが元気に活動するのに睡眠が必要なように、腸の正常な働きにも睡眠が必要です。不規則な生活や睡眠不足が続くと、腸のリズムが狂ってしまいます。毎日忙しく、十分な睡眠が取れていない人に便秘や下痢が多いのはそのためです。
また、深酒も禁物です。適度な飲酒はストレス発散や血行促進、水分補給にもなりますが、飲み過ぎると脱水症状になります。
なぜなら、アルコールを分解するために水分を多く必要とするからです。脱水症状によって便が硬くなり、便秘を引き起こし悪玉菌が増えてしまいます。
その他にも、暴飲暴食や早食い、体の冷えなども腸内環境が乱れる原因です。思い当たる方はすぐに改善しましょう。規則正しい生活が善玉菌を増やします。
まとめ
酸素に弱いビフィズス菌は、体の外から取り入れるのは難しいですが、既に体内に存在するビフィズス菌を増やすことはできます。
今回ご紹介したビフィズス菌を増やす食材を食事に取り入れながら、生活習慣も改善できればベストです。
腸の健康のために、さっそく今日からビフィズス菌を増やす生活を始めましょう。