ヨーグルトを食べても便秘が治らない5つの理由

便秘を治したくて毎日ヨーグルトを食べてるけど、あまり効果がないみたい。どうしてなのかしら?

そうですね。ヨーグルトを食べることで、すべての方の便秘が解消されるわけではないんですよ。

え!?ヨーグルトを食べればスグに便秘が解消されると思っていたわ!そうじゃなかったのね!?

そうです。ではここでは、ヨーグルトを食べても便秘が解消されない仕組みについて説明していきましょう。
便秘で悩む女性はとても多く、今や女性の2人に1人は、便秘の症状を抱えて生活しているといわれています。
女性が便秘になる原因は、筋肉が少なく体が冷えやすいので代謝が悪い、子宮や卵巣など男性にはない臓器があり腸を圧迫しやすい、会社で受けるストレスや人間関係で受けるストレスが大きい、など理由は様々です。
そして、便秘に悩む女性の多くは「ヨーグルトが便秘に効く!」という話を聞いて、一度は便秘対策としてヨーグルトを食べたことがあるという方も多いでしょう。
ですが中には、「ヨーグルトをいくら摂取しても全く便秘が治らななかった!」という方も存在します。ではなぜ、ヨーグルトが便秘に効く方とそうでない方がいるのでしょうか。そこには、ちゃんとした理由があります。
ここでは、ヨーグルトを食べているのに何故便秘が解消されないのか、その理由を5つ挙げてご紹介していきます。
この記事の目次
理由① ヨーグルトの菌が生きたまま腸に届いていない
ヨーグルトの菌は胃酸に弱い
ヨーグルトを食べても便秘がなかなか改善されないという理由の一つに、多くの場合、スーパーやコンビニに置かれている市販のヨーグルトでは「ビフィズス菌や乳酸菌が生きたまま腸に届かない」ということが挙げられます。
ビフィズス菌や乳酸菌が生きて腸まで到達出来ないのは、食べ物を消化する時に出される胃酸や胆汁酸にビフィズス菌や乳酸菌が負けて死滅してしまうからです。
近年になってやっと、胃酸や胆汁酸に負けないように作られた「菌が生きて腸まで届く」という商品が出回るようになってきましたが、それでもすべてのビフィズス菌や乳酸菌が生きて腸まで届くわけではないといわれます。
菌が生きて腸まで届くとどうして便秘が良くなるの?
ビフィズス菌や乳酸菌が生きたまま腸に届くと、短鎖脂肪酸という有機酸を作りやすくなります。短鎖脂肪酸は酢酸やプロピオン酸、酪酸などのことで、腸内の細菌が大腸で食物繊維やオリゴ糖を食べて発酵させることにより生まれます。
「酢酸」は強い殺菌効果があり、悪玉菌を退治してくれる力に優れています。「プロピオン酸」は悪い細菌を鎮める静菌作用があり「酪酸」は腸内のバランスを調える働きがあります。
このような短鎖脂肪酸の大半は、腸管内から体内の吸い上げられ、粘液分泌や水・ミネラルの吸収のエネルギー源として使われます。また残りの一部は血液の乗り全身を巡って、筋肉や肝臓、腎臓などで脂肪を合成するエネルギー源としても使われます。
ヨーグルトの中に入っているビフィズス菌や乳酸菌が生きたまま腸の届くことが出来れば、短鎖脂肪酸を生成しやすくなるといわれています。短鎖脂肪酸の力で腸内が整い、これによって便秘改善効果が得られやすくなるといわれています。

便秘改善のためには菌が生きて腸まで届くことが大事で、これにより便秘が解消される確率が高まります。
理由② ヨーグルトはビフィズス菌や乳酸菌の量が少ない
市販のヨーグルトは乳酸菌の含有量が少ない
ヨーグルトをせっせと食べているのに便秘が解消されないのは、店頭に並んでいるヨーグルト商品ではビフィズス菌や乳酸菌が含まれる量が圧倒的に少ないという理由もあります。
ヨーグルト商品によってバラつきがありますが、だいたい1個のヨーグルト商品でおおよそ100億個のビフィズス菌や乳酸菌しか摂れないといわれています。ちなみに同じ容量のナチュラルチーズで約50億、漬物で約20億、ぬか漬けで約10億、キムチで8億個の乳酸菌が摂れるといいます。
先程ご紹介したように乳酸菌は胃酸や胆汁酸に弱く、生きて腸まで届くまでに全滅してしまうこともあるといわれます。ですからなるべく多くのビフィズス菌や乳酸菌を体内に取り入れることで、乳酸菌の成分を生きて腸まで届けさせることが求められます。
しかし一般的に、店頭に販売されているヨーグルトやヨーグルト飲料では、乳酸菌の量が少ないので腸に届くまでに至らず、便秘を改善する効果も出せないまま何の役にも立たないということも多いといわれます。
「乳酸菌サプリ」は乳酸菌の量がとても多い
ヨーグルトに入っている乳酸菌の量に比べて、サプリメント状になっている「乳酸菌サプリ」は乳酸菌の含有量がケタ違いに多いです。
例えば久光製薬の提供する「乳酸菌ec-12」は1日の摂取量で約1兆個の乳酸菌が摂取でき、健康いきいき倶楽部の提供する「乳酸菌革命」は1日の摂取量で、約2兆個の乳酸菌を摂取することができます。これは一般的なヨーグルトの100倍、また200倍の量です。
便秘解消に近づけるためには、少しでも多くの乳酸菌を生きて大腸まで届けることが重要です。ですが乳酸菌の量が少ないヨーグルトは、便秘解消を求める際には少し効果が薄くなるということは否めないでしょう。

便秘改善のためには、ビフィズス菌や乳酸菌の量が多いものが効果的です。そのほうが、菌が生きて腸まで届く確率が上がるからです!
理由③ ヨーグルト自体が日本人に合わない
ヨーグルトは日本人の腸に合わない?
「ヨーグルトを食べても便秘に効かない!」、という理由の一つには「そもそもヨーグルトの乳酸菌が日本人の腸に合わない」ということもあるといわれています。
日本人と乳酸菌の間にはとても古い歴史があります。それは、日本人がはるか昔に多くの発酵食品を生み出し、それを口にしてきたことでもよく分かります。
みそ・しょうゆ・麹・納豆・漬物などは、すべて乳酸菌の力を借りて発酵された食品や調味料です。日本人は昔から多くの乳酸菌を含む発酵食品を食べてきたのに、なぜヨーグルトの乳酸菌が体に合わないといわれるのか。それはヨーグルトに入っている乳酸菌が「動物性乳酸菌」だからです。
みそ・しょうゆといった日本特有の発酵食品はすべて、「植物性乳酸菌」です。ヨーグルトの乳酸菌が動物性乳酸菌なので、長い間植物性の乳酸菌しか食べてこなかった日本人の腸の中に、ヨーグルトの乳酸菌が入ってきても整腸効果などが得られず、結果的に便秘解消に至らないのではないかといわれています。
日本人の約7割は「乳糖不耐症」
中にはヨーグルトを食べて便秘が改善されたという方もいるでしょう。しかしこれは便秘が改善されたのではなく、「ヨーグルトで軽い下痢の症状を出している」ということのほうが、実は多いのではないかといわれています。
それは日本人の約7割の方は、牛乳の成分を腸で分解することが出来ない「乳糖不耐症(にゅうとう ふたいしょう)」という体質だからです。
ヨーグルトは牛乳から作られます。腸で乳成分を分解出来なくて、下痢を起こして便が排出された、という方が多いのではないかといわれています。

ヨーグルトを食べても便秘が改善されないのは、「もともと日本人の体質にヨーグルトが合わない」ということもあります。
理由④ 自分に合ったヨーグルトでなければ便秘は改善されない
自分と相性の良いヨーグルトでなければNG
自分の腸とヨーグルトの相性が良くなければ、どんなにヨーグルトを食べても便秘解消効果は得られません。
人間の腸にはたくさんの種類の細菌が棲みついていて、それぞれ生態系のようなものを作って(これを腸内フローラと呼びます)、人間の消化吸収や免疫機能を支えています。
腸の中にどんな種類の細菌がどんな割合で棲みついているのかは、おのおの違います。ですから、ヨーグルトの中に入っているビフィズス菌や乳酸菌の種類が、その方の腸に棲みつきやすい菌なのかどうかも違うのです。
自分の腸に合ったヨーグルトでなければ、その中に入っているビフィズス菌や乳酸菌が腸に棲みつくことはなく、便秘改善の方向へは向いていかないでしょう。
自分に合ったヨーグルトの見つけ方
自分に合うヨーグルトを見つけるためには、やはり色々な種類のヨーグルトを試してみるほかないでしょう。
「これは自分の体に合ったヨーグルトかも!」と思えるようなヨーグルトは、便通が良くなる、体調がなんだか優れるようになった、風邪をひきにくくなった、肌がキレイになった、など何かしら体に良い反応が得られるような場合です。
ヨーグルトを食べたことで体が獲得した乳酸菌は、約2日~1週間ほどで便と一緒に外へ出ていきます。ですから1つのヨーグルトを2~4週間ほど食べてみて、何も効果が体感できない状態が続いたら、次のヨーグルトを試していきましょう。

自分の腸や体に合ったヨーグルトでなければ、どんなに沢山のヨーグルトを食べても便秘には効果がありません!
理由⑤ 偏食・変則的な生活
「ヨーグルトだけ食べればOK!」では便秘は治らない
便秘対策にヨーグルトを食べているのに便秘が改善されない理由には、食生活と生活習慣の乱れも大いに関係しています。
昼前に起きてヨーグルトを食べ、夕方にラーメン、揚げ物、、深夜に焼肉を食べるという生活をしている方がいたとしましょう。このような方は、1日の食事の中にヨーグルトを取り入れても便秘はなかなか治らないでしょう。
人間が便意を感じるためには、「食べたもの×寝る時間」がとても大切だからです。
便意を起こさせるためには、便のカサがある程度必要なので、お米などの炭水化物と野菜の食物繊維が必要です。寝る時間に関して言えば、腸の働きが活性化する夜22~2時に寝ていることが大切です。
このような食生活と規則正しい睡眠サイクルを送っているうえでヨーグルトを食べれば、腸のぜん道運動が活発化して便意が起こり、便秘が解消されることもあるでしょう。
しかし野菜を食べないなどの偏食や、腸の動きやすい深夜のゴールデンタイムに寝ていないなどの変則的な生活をしている方が、ヨーグルトを食べただけで便秘が解消されるということはあまりないと推察されます。便秘を改善するためには生活習慣の見直しも行いましょう。
便秘に効果的な乳酸菌もあります!
ヨーグルトを食べても便秘が解消されないという方もいるでしょうが、中にはヨーグルトが功を奏した方もいるでしょう。そのような方はヨーグルトに入ってり乳酸菌の種類が自分の腸とマッチしたと考えられます。
最近は便秘にとても効果的だといわれる乳酸菌の種類も見つかっており、それを飲みやすい乳酸菌飲料に配合してあるような商品もあります。便秘対策としてこのような乳酸菌飲料を飲んでみるのもオススメです。
関連記事1番便秘に効くのはどれ?人気7種の乳酸菌飲料の特徴を徹底比較

便秘改善の近道はまず、正しい食生活と生活サイクルです。その上でヨーグルトを食べて便秘解消効果を高めましょう!
まとめ
便秘を改善するためには、腸内の善玉菌を増やす必要があります。ヨーグルトを食べても便秘が良くならないのは、そのヨーグルトの菌種では善玉菌が増えないからです。
自分の体に合ったヨーグルトを見つけることができれば、ヨーグルトで便秘が解消されることもあるでしょう。しかし、大前提は正しい食生活と良い生活習慣を送ることです。
便秘になると、毎日がどんよりと、重苦しい気分になります。まずはバランスのとれた食事と正しい生活習慣で便秘解消を目指していきましょう。

ヨーグルトでは便秘が改善されないこともあります。しかし自分に合ったヨーグルトの菌種を見つけることができれば便秘解消がねらえるでしょう!