便秘解消だけで終わらない?乳酸菌がカラダに与える7つの効果

最近、テレビや雑誌で「乳酸菌」って言葉を良く見るけど、乳酸菌って、世の中が注目するぐらいカラダに良いってことなの?

乳酸菌は、大腸の中で活躍する腸内細菌なのですが、その働きは私たちが想像しているよりもずっと凄くて、しかもカラダに与える影響がたくさんあるんです。

そうなんですね。乳酸菌はヨーグルトに含まれていて、便秘を解消したり、腸の調子を整える働きだけだと思っていました。

確かに、乳酸菌の代表的な働きは腸の調子を整えることですが、それは便秘を解消するだけではありません。もっとたくさんの効果があるのです。
乳酸菌は腸の調子を整え、便通を良くする働きがあるのはもちろんですが、それだけではありません。腸の調子を整える働き以外にも、カラダにとって素晴らしい効果がいくつもあります。
この記事では、そんな乳酸菌の働き・効果を全てピックアップして紹介します。
効果①「便秘改善・便秘解消」
乳酸菌の効果といえば、やはり便秘改善効果が高いということが挙げられます。まずは乳酸菌がなぜ、便秘改善や便秘解消につながるのかを分かりやすく説明します。
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乳酸菌最大の効果!便秘に乳酸菌が良い理由!
乳酸菌は、ビフィズス菌などと同じ部類に入る善玉菌の一つです。善玉菌は腸内で発酵を起こして腸内環境を正常に保っている大切な菌なので、人間の健康維持には欠かせない菌です。
乳酸菌は、「乳酸菌」という1つの菌の名称のことではありません。乳酸菌にはいくつもの種類があり、現在確認されている乳酸菌の種類は600個以上あるといわれています。
乳酸菌の大まかな効果は同じですが、それぞれの乳酸菌によって特徴が違うため、効果や効能が少しずつ違うところもあります。
ですがすべての乳酸菌の効果として挙げられる大きな効果が、便秘解消効果です。
大腸で乳酸菌が増えると、善玉菌が作る酢酸(さくさん)や乳酸などの有機酸が腸の壁を適度に刺激してくれるようになります。刺激された腸は動きを活発化させ、便を排出するぜん道運動を促して、スルッとスムーズな排便が出来るようになるといわれています。
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人はなぜ便秘になる?
便秘の方は、腸内に持っている善玉菌の数がとても少ないといわれています。善玉菌が少ないと、ウォルシュ菌などの悪玉菌が腸内で勢力を拡大し、腸内で食べ物の残りカスなどを腐らせて腸全体をアルカリ性に変えていきます。
腸内がアルカリ性に傾き始めると、大腸の便を押し出す力である「ぜん道運動」が起こりずらくなり、肛門まで便を押していくことが出来ません。ですから、肛門付近で便が長い時間とどまってしまうことになります。
便が肛門付近で留まり長時間外に出られないという事態が発生すると、便の腐敗が進行し、大腸内はさらにアルカリ性の性質を強めていくので便秘に拍車がかかります。
また腸内に長時間便が停滞することで、水分が失われてコロコロとした硬い便になってしまいます。硬い便になることで余計に肛門から出にくくなってしまうので、便秘がより悪化します。
「腸内に持っている善玉菌の数が少ない」という原因が、便秘を招く大きな原因の一つです。ですから乳酸菌を摂取すると、善玉菌が増えて腸内が酸性になり便秘解消効果が得られやすくなるのです。

乳酸菌という善玉菌を腸内に飼うことで、便秘解消効果が狙えます!
効果②「ダイエット」
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乳酸菌で痩せやすくなる?
乳酸菌はダイエット効果も得られるといわれています。
先程ご紹介しましたが、乳酸菌は便通を良くしてくれる効果があるといわれていますので、ダイエットにも効果的だということになります。ダイエットに便秘は大敵だからです。
また便通が良くなると、体の代謝が上がり、ダイエットしやすい体状態に持っていくことが可能になるといわれています。
乳酸菌はダイエットに最適!
便は食べ物カスだけでなく老廃物や有害物質も、同時に排泄してくれる素晴らしい存在です。
乳酸菌の働きにより便通がスムーズになると、腸内は良好に保たれている状態になりますから、胃や腸での消化吸収も俄然良くなります。消化吸収能力が上がると血流が良くなり、体の隅々の細胞は血液に乗ってきた様々な栄養を受け取りやすくなります。
細胞が栄養が受け取りやすくなると新陳代謝が活発に行われることになり、代謝が上がります。代謝が上がるということはカロリーを消費するということですから、基礎代謝がアップするということにつながります。
基礎代謝が上がると、内臓脂肪などの脂肪が燃えやすくなりますので、自然にダイエットできるということになります。

乳酸菌は消化吸収を助けて体の代謝を上げてくれるので、ダイエットに向いています!
効果③「糖尿病」
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乳酸菌は糖尿病にも効果的?
乳酸菌は糖尿病にも効果的な作用を持っているといわれています。糖尿病は血糖値が上がり、糖が尿と一緒に出てしまう病気です。
血糖値が上がるのは、すい臓で出されるインシュリンホルモンの分泌が少なくなることで起きます。インシュリンはブドウ糖とくっついて各細胞へ栄養を運ぶ物質なので、インシュリン分泌が少ないと、インシュリンと結合できないブドウ糖が血液の中に大量に余るようになります。
インシュリンが不足すると栄養が運べないので、体の細胞が死滅していきます。どんなに食べ物を食べてブドウ糖を摂取しても、インシュリンが足りないので、ブドウ糖はそのまま尿と一緒に出ていくほかありません。
糖尿病は体に栄養を運ぶことが出来なくなる、怖い病気なのです。そしてその糖尿病は、劣悪な腸内環境であるとより起こりやすいといわれています。
そこで乳酸菌の登場です。乳酸菌は悪玉菌だらけの荒れ果てた荒野に、善玉菌というヒーローを送り込んでくれます。
乳酸菌が腸内環境のバランスを良くすることで、インシュリンホルモンの分泌も正常に行われるように促してくれますので、糖尿病予防などに効果的な役割を果たすということです。
乳酸菌はコレステロール値を下げる?
乳酸菌は、コレステロール値を下げてくれる効果も持っているといわれています。
コレステロールにも善玉と悪玉があります。善玉コレステロールは、余ったコレステロールを回収して肝臓へ返す働きがあるので、よい働きをするコレステロールです。
しかし悪玉コレステロールは、血液中に悪玉コレステロールが増えすぎると血管にビッチリと張り付き、アテローム硬化という動脈硬化を推進する悪い働きをします。
乳酸菌がコレステロール値を下げるといわれるのは、悪玉コレステロールを便と一緒に体外へ排出してくれる効果があるといわれるからです。
しかも乳酸菌はコレステロール値が高い時だけコレステロールを便に乗せて排出してくれるので、体内のコレステロール値の調整も行ってくれる素晴らしい善玉菌だといわれています。

乳酸菌は糖尿病予防をしたり、コレステロール低下にも大変良い作用をもたらします!
効果④「花粉症」
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乳酸菌は花粉症にも良いってホント?
乳酸菌を摂取すると、花粉症の症状が和らぐといわれています。
花粉症はアレルギー反応を起こす細胞と、アレルギー反応を抑える抗体細胞のバランスが崩れることで起こるといわれています。
これは元来、人間の体には体を守る免疫機能が備わっていますが、花粉症の方はこの免疫機能のバランスを崩している方が多いということです。
そして、免疫を作るのは腸だといわれています。実際に人間の免疫機能の70%は腸に集中していることが医学的にも分かっており、腸内の環境を良くすることで、体を守るバリア機能の免疫力がアップすることも証明されています。
乳酸菌は腸内の環境を良好なものへと変えていく力を持つ菌なので、免疫機能が正常に働く力を引き出せる効果がある菌だといえるでしょう。
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乳酸菌は風邪を引きにくくする?
乳酸菌の摂取を続けていくと、風邪予防にも効果的だといわれています。風邪をひきやすくなるのは、加齢やストレスなどで体の免疫力が低下するからです。
風邪の予防には、風邪ウィルスを体内へ入り込ませないようにするのが一番の方法です。そしてウィルスを入り込ませないようにするためには、防御作用のある免疫機能と攻撃作用のある免疫機能を高めておく必要があります。
防御系免疫機能は、鼻の粘膜や腸の粘膜などに入り込んだ風邪ウィルスが入り込んできても、これをやっつけてくれる物質が正常に働くように、いつでも準備万端な状態にしておくことで高まります。
攻撃系免疫機能は、侵入してきたウィルスをその場でやっつけてくれるリンパ球免疫細胞が、しっかりと働くように強化しておくことで高まります。
そしていつでも、風邪ウィルスをやっつけてくれるよう準備万端にしてくれるのが乳酸菌です。乳酸菌は腸内の善玉菌増産作用により、腸内に風邪ウィルスが入り込んできても、すぐさま防御反応と攻撃反応が出来るような腸内環境を作り上げてくれます。
先程述べた通り、腸には体の免疫機能が集中しています。乳酸菌は腸にあるレセプター(受容体)を刺激して、腸の免疫力を上げてくれる効果があるといわれています。

乳酸菌はウィルスから体を守ったり、ウィルスをやっつける攻撃力をアップさせます!
効果⑤「ニキビ・肌荒れ」
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乳酸菌は、ニキビは肌荒れにも効果的だといわれています。中でも大人になってから出来やすくなる大人ニキビには特に効果的だといわれます。
大人ニキビは腸で老廃物がたまると出来やすいといわれます。それは、老廃物や食べ物カスが腸内で腐敗して、毒素や有害物質を発生させるからです。
通常、毒素や有害物質は便と一緒に排泄されますが、大人ニキビが出来る方はたいがい便秘症です。便秘症だと便がどんどん腐敗しているのにもかかわらず、毒素や有害物質は一向に外へ出ることが出来ません。
そのうち毒素や有害物質は腸から血液に入り込み、血液が全身へ毒素や有害物質を運ぶことになります。血液によって、毒素が全身に撒き散らされてしまうということです。
そして毒素を乗せた血液が顔面に到達すると、顔の皮膚が毒素に刺激されて、ニキビがニョキニョキと顔面に出てくるということになります。
乳酸菌は腸内環境を良い環境に変換してくれる効果を持っていますので、便秘症を改善する効果が得られやすくます。これにより、大人ニキビの元になる毒素や有害物質を体内に留まらせないようにすることが出来ますので、大人ニキビが改善されやすくなります。
乳酸菌はアトピー性皮膚炎にもいいの?
乳酸菌の摂取は、アトピー性皮膚炎にも効果的だといわれます。それは、アトピー性皮膚炎を患っている方は腸が弱い方が多いといわれているからです。
腸が弱いというのは、そのまま「腸の免疫機能が下がっている」ということにもつながります。
免疫機能が低下していると、花粉症の方などとも同じように、皮膚に乾燥や直射日光などの刺激が入り込んできた時に攻撃出来る抗体が少ないので、皮膚がひどく荒れるというアトピー性皮膚炎を発症してしまうのです。
乳酸菌がアトピー性皮膚炎に効果的だというのは、アトピー性皮膚炎を起こす大きな原因である腸の免疫機能を高めてくれる効果があるからです。
乳酸菌はアンチエイジング効果もある?
乳酸菌を摂取すると、アンチエイジング効果も得られやすくなるといわれています。その理由は「体内に善玉菌が多いと、細胞は若々しく保たれる効果が高まる」からです。
赤ちゃんの肌はキレイでキメが細かく、とても弾力があるものです。その赤ちゃんの腸内を調べてみると、なんと95%が善玉菌で占められているといいます。
腸内に善玉菌が多いと、タンパク質やビタミンC、ビタミンEなどの美肌に良いとされる栄養の吸収もアップします。赤ちゃんの肌がきれいなのは、数多くの乳酸菌を腸内に抱え込んでいるからです。

乳酸菌は腸内環境を良くすることでニキビやアトピー、アンチエイジングにも効果が見込めます!
効果⑥「うつ」
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乳酸菌はうつ病にも効果があるの?
乳酸菌は、うつ改善にも効果があるといわれています。それは乳酸菌が、セロトニンの分泌を促してくれる働きがあるからだいわれます。
セロトニンは心を落ち着かせてくれる作用がある成分で、脳内でセロトニンが欠乏したり不足すると、うつになりやすくなるといわれています。
そしてとても意外なことに、セロトニンは全体の90%が小腸に存在しています。残り8%が血液の血小板、2%が脳みそに置かれています。
脳みそのセロトニンが少なくなると、小腸から持ってきて補充するのです。このような仕組みですから、小腸にセロトニン少なくなると、どういったことが起こるかもう分かるでしょう。これが、うつのトンネルの入り口です。
セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれるくらい大事なホルモンで、人間の気分を幸せな状態に導いてくれる夢のようなホルモンです。その幸せホルモンがなくなって、脳みそのエネルギーが空っぽになったのが「うつ」です。
乳酸菌がうつ病に良いといわれるのは、乳酸菌によって腸内環境が調い、小腸に十分なセロトニンを確保することができるからだといわれています。
乳酸菌は不眠症にもいい?
乳酸菌は、不眠症を発症している方にも効果的な作用をもたらすといわれています。
先程説明したセロトニンは、昼間に多く分泌されます。セロトニンが日中に多く分泌されないと、体内時計が狂い出して「メラトニン」というホルモンが出ません。
メラトニンは、人間が眠くなるように仕向けてくれる睡眠導入ホルモンです。セロトニンが日中に放出されないばかりに、メラトニンは生産されることがなく、人は眠りにつくことが出来なくなるという不眠症に陥ります。
乳酸菌は腸内の状態を最良のものとし、セロトニンの分泌を促進して、人間が夜眠くなるという生理現象を起こすことを助けます。

乳酸菌は腸内にある幸せホルモンのセロトニンを増やす働きで、うつや不眠症を改善します。
効果⑦「がん予防」
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乳酸菌はガン予防にも効果あり?
乳酸菌はガン予防をするうえでも、非常に効果的だといわれています。
そもそもガンというのは、大部分で腸の粘膜からガン細胞が発生するから、ガンになるといわれます。
ガン細胞は健康な方でも、常に1日3000~6000個程度は作られるといわれています。しかし健康な方がガンで病床に倒れないのは、その方は腸で生まれたガン細胞のほとんどを、自分の腸で死滅させることが出来ているからです。
そして、腸でガン細胞を死滅させる働きを行ってくれるのが、正常な腸内環境です。ですからひるがえせば、腸内環境が悪いとガンになりやすいということになります。
腸の免疫機能を高めることがすべての健康につながる?
乳酸菌は、悪玉菌に支配されている劣悪な腸内環境から脱出させ、ガン細胞毎日生まれてきても、ただちにやっつけられるという強い腸を作り上げることに貢献します。
腸を善玉菌優位のバランスの取れた環境に持っていくことが出来れば、体の免疫機能は格段にアップします。
免疫機能が上がれば、ガン細胞が発見されれば即座に死滅させることが出来ますし、体内に風邪ウィルスや花粉症ウィルスが入ってきても、すぐに死滅させることが出来やすくなります。

乳酸菌で腸の免疫機能を上げることは、すべての病気予防対策につながります!
まとめ
腸は「第2の脳」と呼ばれます。そして生物は、脳から進化したのではなく、腸から進化して発達を遂げていることも分かっています。
これを聞くだけで、腸と脳の関係がとても深いものだということがよく分かります。
乳酸菌の摂取で腸内環境を良くしていくことは、便秘改善効果、病気予防における免疫機能の向上、脳の神経を良好なものとすることなど、とても幅広い効果をもたらします。
人間の健康を維持していくためには、欠かせない存在、それが乳酸菌です。
乳酸菌の摂取で、日々を健康的に過ごせるようになりたいものです。

乳酸菌は便秘解消だけじゃない!健康維持に一役も二役も買う”素敵菌”です!